簿記論 試験委員の出題ポイント
19年度の試験の出題ポイントが公表されました。
http://www.nta.go.jp/sonota/zeirishi/zeirishishiken/point2007/02.htm
出題委員の狙いと、おそらく若干採点してみた上でのコメントが書かれていて受験生ながら興味深いです。それぞれ抜粋して出題委員が意図するところを考えてみます。
〔第一問〕
「若干注意を要するものとして、原価率算定の際の売上高と売上原価の金額、債権と貸倒引当金の関数関係の把握、有価証券の分類変更における振替時点の処理及び新株予約権付社債の代用払込の処理等がある。」
ここは松本委員が狙ったとおりで正解率が低かったんでしょうね。そして次のなお書きが大きなポイントです。
「なお、設問の最後で関係会社株式に対する持分法の適用を出題しているが、これは連結会計技法に関する処理能力は、現代の会計実務家にとって必要不可欠との趣旨からである。」
これも先生の予想どおり意表をついた出題だけに「やっぱり出来が悪いなあ。」と感じたところだと思います。今後出題が定番化するかもしれないよ、というメッセージにも読み取れます。
〔第二問〕
「正確な決算のためには未達事項の整理が不可欠であるという強い主張もあるが、支店独立会計制度の主旨は・・・、各店の業績を把握するところにある。・・・ここでは本店及び支店独自の決算に当たり、未達事項を整理しない方法を採用した。また、それによって計算が簡単になり、解答時間を短縮できるものと考えた。」
やっぱり裏をかいた出題だったんだなあ、と思いました。そして正解率も悪かったんでしょう。「一見すると」とか「若干の配慮が必要になる」とかいう表現が、引っ掛けにみんなはまったことを物語っています。
そして重要なのが次のコメントです。
「なお、一般管理費の配分は本店及び支店独自の決算で配慮すべき事項であり、本支店合併財務諸表(精算表)の作成には無関係である。」
これで本支店勘定の問題は、本店から支店への営業費の振替を無視したTACの模範解答が正しく、大原他の学校の回答は×であることがはっきりしました。もっとも私は未達商品の内部利益を付加するのを忘れたのでどちらにしても×なんですけど。でも大原の解答を記載した方が多いようですのでこれで少し有利になったかな。
〔第三問〕
「本問の場合、資料の一項目を見て仕訳を導き出しても正解にはならず、別の資料でその仕訳を訂正することが必要となる設問や、あえて不要な資料を提示している場合等、資料を正確に読み取ることができないと正解できないような問題になっている。しかし、・・・一勘定科目に複数の処理事項があっても、混乱無く迅速に整理できることを期待している。」
第3問もおそらく出題委員の予想以上に受験生が混乱して出来が悪かったのだと思いました。以前も書きましたが、第3問は解答用紙が配布された時に裏読みして、勘定科目と解答欄の注意事項(円単位で、3桁ごとにカンマ切して記入する。)を読み込んでおくことが戦略だなと思います。これだけでかなり落ち着くことが出来ます。
結論として今年の簿記論は、「基本事項だけど引っ掛けいっぱい」の問題だったのだろうと思います。
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コメント
NOBNOBさんこんばんは。かーなーり引っかかった様子のジャックです。(^^;)
いつも出題のポイントは試験内容をもう忘れてしまっているので、読んでいませんでした。
わかりやすい解説ありがとうございました!
もうすぐ試験ですね。
頑張ってください!!
投稿: ジャック | 2007/10/08 21:00
ジャックさんこんにちは。
出題のポイントは国税庁のHPに掲載されるとあって、感情を控えた解説文であっても、出題委員の気持ちが読み取れますね。「予想以上にみんな引っかかってるねえ。」と言っているようです。
TACのボーダーを超えていて、みんなが得点できるところを抑えていれば大丈夫なのではないかと感じます。
12月には一緒にお祝いしたいですね。(^^)
投稿: NOBNOB | 2007/10/12 22:31